先延ばしをする原因は、ヒトの脳の仕組みにあった!

貴方はやるべき事をついつい先延ばしにしていませんか?

[chat face=”face2.png” name=”” align=”left” style=”type1″]あー、資格の勉強しないとなー。でも今日ちょっと疲れたしな。とりあえずちょっとだけ漫画読んでそれから始めよう…[/chat]

なんて経験、誰もがあるんじゃないでしょうか。

ヒトが先延ばしをしてしまうのは、脳の仕組みに大きな原因があります。

この記事では、やるべき事をついつい先延ばしにしてしまう原因について詳しく紹介したいと思います。

別記事で先延ばしを防ぐ方法を紹介していますが、先延ばしをするメカニズムをわかっていた方がより実践しやすくなるので、先延ばしに悩んでいる人は是非読んで頂きたいと思います。

はるか昔から人間は先延ばしに苦しんできた

やるべき事の先延ばしは現代人の悩みという訳ではなく、はるか昔の人も悩まされていました。

昔の人も先延ばしに苦しんでいて、先延ばしについて言及したもっとも古い書物は古代ギリシャの時代まで遡る事ができます。

哲学者アリストテレスの「ニコマコス倫理学」という書物で先延ばしについて書かれていて、アリストテレスは、

先延ばしする性質=マラキア

と呼んでいました。

マラキアというのは、「ゲス野郎」という意味だそうです。言葉きつすぎますね・・・w

昔の書籍を見ると、先延ばしに悩んでいるのは現代人だけでなく、文明が発達していなかった古代の人も先延ばしに悩んでいたのがわかります。

先延ばしの問題は、自分だけが悩んでいるのではなく、誰もが悩んでいる問題だと言うことを覚えておきましょう。

先延ばしの原因の半分は遺伝にある

私たちは日々、色々な誘惑と戦いながら仕事や勉学に励んでいます。

勉強中になんとなーく本棚の漫画が目に入って読みたくなったり、仕事で資料作成中に何となくサッカーの試合結果が気になってwebサイトを開きたくなったり。

こんな誘惑に負けて、やるべき事を先延ばししそうになった経験、貴方にもありますよね?

実はこういった先延ばしの原因の半分は、遺伝的な物であると言われています。

昔は目の前の衝動に従う方が効率的だった

はるか昔、人間は狩りをして生活をしていました。獣を狩って、その肉を食べて生活の糧を得ていた訳です。

人が狩りに出た時に、果実がたくさんなっている木を見つけたとします。そうすると人間の脳は、

[chat face=”face4.png” name=”” align=”left” style=”type1″]あっ!木の実がたくさんある!糖分補給のチャンス![/chat]

というように、本来の目的である狩りをほっぽり出して、木の実の方に意識が向いてしまいます。

糖分補給のチャンスを逃さないように脳が信号を発する訳ですね。

昔の人は生きる為に食糧を得るのが大変な時代でしたから、このように本来の目的を先延ばししても、目の前の衝動(木の実で糖分補給したい!)に従った方が効率的だった訳です。

そんな昔とは時代が変わり、現代ではお金さえあれば食事に困ることは無くなりました。

しかし、本来の目的を先延ばしして近くの衝動に注意が向いてしまう、という脳の仕組みは私たちの身体にも備わっています。

この脳の仕組みが、本来やるべき事を先延ばしにしてしまう原因になっているのです。

別の事に気を取られて本来の目的を先延ばししてしまうのは、人間の脳がそういう機能を持っている事を覚えておきましょう。

先延ばしで多くの時間とお金を失っている

実は先延ばしについて面白い調査結果があります。

アメリカ・オンライン(略称AOL)という会社が、およそ10,000人のサラリーマンを対象に、先延ばしについての調査を行いました。

アンケートを取って、先延ばしによってどのくらいの時間を無駄にしているか、というデータを集計した調査です。

この調査の結果は凄いもので、私たちは先延ばしが原因で、

1日8時間の労働時間中、およそ2時間(平均)

を無駄にしているという結果になってます。

経済効果に置き換えると、年間で約9,724ドルの損失になるそうですよ。(今のレートで大体110万円くらい)

まあこれは先延ばしをしている労働者ではなく、経営者というか会社の損失になっている訳ですが。

私達はやるべき事を先延ばしして、1年で約110万円を逃しているかもしれない、という事をしっかり覚えておきましょう。

フィットネスの幽霊会員はなんと70%

あるデンマークの月額制ジムの調査結果なんですが、1ヶ月で1度もジムを利用しない有料会員がなんと70%もいる事がわかっています。

健康の為にジムに通おうと有料会員になったのはいいけれど、

[chat face=”face2.png” name=”” align=”left” style=”type1″]今日はちょっと仕事疲れたし、ジム行くのやめようかな…明日にしよう![/chat]

こんな風に何度も先延ばしをして、結局1度も行かない人が70%もいるというのは驚きですね。

 

実は先延ばし自体は大きなロスでは無い

実はやるべき事をちょっと先延ばしにする事は大きなロスではありません。

[chat face=”wface1.png” name=”” align=”left” style=”type1″]勉強の合間にちょっとだけ漫画読んでもいいかな…1冊だけ読んだらすぐに戻ればいいよね…[/chat]

漫画1冊だと15分位で読み終わるので、ちょっとした休憩に良い気がしますよね。

しかし、漫画を読み始める前はそう思っていても、1冊読み終わったらなんとなく再開する気にならず、なんとなく2冊目に手を延ばしてしまう。いつのまにか3冊目にも手を延ばしてしまって、

[chat face=”wface2.png” name=”” align=”left” style=”type1″]あれ、もう1時間経ってる…[/chat]

というような事態になってしまう訳ですね。

先延ばしのロスよりも再開するまでのロスが大きい

さっきの例で言うと、やるべき事(勉強)の先延ばしによるロスは15分ですが、再開するまでに45分も時間をロスしているのがわかります。

ある研究では、やるべき事を先延ばししてから再開するのにかかった平均時間は30分というデータもあり、そこから集中した状態に戻るまでに、さらに15分かかると言われています。

また、先延ばしした事を再開する為にはかなり意志力を使う事もわかっています。

日中みっちり仕事をして、

[chat face=”suit2.png” name=”” align=”left” style=”type1″]やっと家ついた~。今日会議多くて疲れた~。もう寝たいけど、明日の資料少しでも進めておかないと…[/chat]

というように脳が疲れた状態で、資料作りを先延ばししてしまうと再開できずに、

[chat face=”suit2.png” name=”” align=”left” style=”type1″]あ、今日もうダメ。明日ちょっとだけ早く起きて資料作ろう…[/chat]

というような事態になってしまう訳です。

先延ばしする事よりも、やるべき事を再開するまでに無駄な時間を多く使っている事を覚えておきましょう。

人間は未来の事を上手に予測できない

突然ですが、貴方は夏休みの宿題はどうしていましたか。

[chat face=”wface1.png” name=”” align=”left” style=”type1″]私は毎日コツコツやって余裕を持って終わらせてたなあ[/chat] [chat face=”face4.png” name=”” align=”right” style=”type1″]俺はもちろん31日に一気にやるタイプ![/chat]

毎日コツコツやっておけば楽勝で終わる。それは誰でも理解できるのですが、なぜか直前までやらない人ってけっこういますよね。

実は私たちの脳は未来を想像することはできるのですが、上手に予測できるようにはなっていません。

将来の事って、まだ自分の目の前に差し迫っていなくて、具体性が薄い状態なので、

[chat face=”face1.png” name=”” align=”left” style=”type1″]今、勉強しておかないと後々困るんだよな…わかってはいるんだけど…まあ今日はいいか。漫画読んじゃお~っと[/chat]

というように考えてしまうんですね。

理屈はわかっていても、感情が追いつかない、とでも言えば良いでしょうか。後々困る実感がないから、なんとなくで先延ばししてしまう訳ですね。

その繰り返しで夏休みがどんどん過ぎていって、

[chat face=”face2.png” name=”” align=”left” style=”type1″]やべー!夏休みもう2日しかない!全く宿題やってない!急げ急げ![/chat]

というような事態になってしまうのです。

人間という生き物は、理屈ではわかっていても、不安を感じたり必要性に迫られないとつい先延ばしをしてしまう事を覚えておきましょう。

先延ばしをやめるにはどうすればいいの?

ここまで人が先延ばしをする理由について紹介してきました。

人はどうして先延ばしをするのか、そのメカニズムを理解して頂けたんじゃないかなと思います。

[chat face=”wface2.png” name=”” align=”left” style=”type1″]理屈はわかったけど、先延ばしをやめる為には具体的にどうすればいいの?[/chat]

という貴方の為に、先延ばしをやめる為の具体的な方法を別記事で詳しく紹介しています。

先延ばし癖を治して即行動!すぐやる人になれる7つのポイントとは

ついつい先延ばししてしまうのをなんとかしたい!という人は是非チェックしてみてくださいね。

まとめ

昔の人も先延ばしに苦しんでいた

  • 自分だけでなく誰もが先延ばしに悩んでいる

先延ばしの原因は人の脳の仕組みにある

  • 昔はその方が効率的だった
  • 現代人にもその機能が備わっていて足枷になってる

私達は先延ばしで多くの時間とお金を失っている

  • 8時間の労働時間の内2時間
  • 年間で約110万円の損失
  • フィットネス会員の70%が幽霊会員

先延ばしそのもののロスは大きくない

  • やるべき事を再開するのに時間がかかる

人間は未来を上手に予測できない

  • 不安を感じたり必要性に迫られないと先延ばししてしまう

以上です。なぜ先延ばしをしてしまうのか悩んでいる人の参考になれば幸いです。

 

参考文献

この記事を書くにあたって、下記の書籍を参考にさせて頂きました。

著者のピアーズ・スティール博士はカナダのカルバリー大学の教授で、人間がなぜ先延ばしするのかを専門に研究している人です。

感想としては、序盤は余り面白くないですが、後半から面白くなってくるので、先延ばしについての理解を深めて時間を有効活用したい、という人は一読の価値アリですよ。