今年も年末の風物詩、年末調整の時期が近づいてきました。
あの緑色の書類を見て、うわっ!ってなってる人も多いんじゃないでしょうか。
[chat face=”wface2.png” name=”” align=”left” style=”type1″]いっつも思うけど、年末調整面倒…そもそもなんで年末調整しないといけないの?[/chat]と貴方も思っているかもしれません。
しかし年末調整をしっかり行うのは非常に大切です。
と言うのも、年末調整の書類をきっちり書いて申請しないと、無駄に税金を取られてしまうのです。
せっかく年末調整について調べようとしているのですから、これを機会に年末調整の仕組みを理解しておきましょう。
※仕組みとかはどうでもいいからとりあえず書き方教えてくれ!という人は、年末調整の具体的な書き方を別記事で記入例つきで紹介しているので、そちらをチェックしてみてくださいね。
https://eastgate12.com/nenmatuchousei-kakikata-20160224
年末調整の役目は2つ。所得控除の申請と所得税の精算。
- 所得控除(税金を安くしてもらう)の申請
- 1年間の所得税を確定させて精算
この2つが面倒な年末調整をしなければならない理由です。
1:所得控除の申請
年末調整の大きな目的の一つは所得控除の申請です。
所得控除とは、簡単に言うと税金を安くしてもらう事。
あの緑色の書類で、所得税を減らしてもらう申請をしている訳です。
[chat face=”suit1.png” name=”” align=”left” style=”type1″]養ってる家族がこれだけいるから税金安くして~[/chat] [chat face=”wface1.png” name=”” align=”left” style=”type1″]食べ盛りの子供がいるから税金安くして~[/chat] [chat face=”suitw1.png” name=”” align=”left” style=”type1″]将来に備えて保険に入ってるから税金安くして~[/chat]こういった申請を年末調整で行っている訳です。
この税金を安くする申請が反映されて12月分の給与が支払われるので、年末調整をすると税金が返ってくるんですね。
2:所得税を精算して過不足を調整する
年末調整の目的の2つ目は、これまで給与から天引きされてきた所得税の額と、実際の1年間の所得税額との差額を精算する為です。
今年の所得税の金額は、12月の給与が支払われる段階で初めて確定します。
毎月の給与から引かれている所得税はザックリ計算の金額なので、
- 毎月の天引きされる所得税額×12か月分
- 確定した今年の所得税額
この2つの金額は当然違う訳です。
この差を調整するのが年末調整の目的です。
年末調整による精算の具体例
実際に年末調整でどんな感じで精算されるのか、具体例で把握しておきましょう。
・毎月の給与からの天引き額が10,000円の場合
10,000円×11ヶ月=110,000円
確定した今年の所得税額が100,000円だったとしたら、
110,000円―100,000円=10,000円
で、10,000円が戻ってくる訳ですね。
※余談ですがこの精算処理、ややこしい事に2パターンあるので注意しましょう。
①12月分の所得税を天引きせず年末調整で精算
天引き額:10,000円×11ヶ月=110,000
所得税確定額:100,000円
年末調整精算の欄で10,000円の返金
②12月分の所得税を天引きしてから年末調整で精算
天引き額:10,000円×12ヶ月=120,000
所得税確定額:100,000円
年末調整精算の欄で20,000円の返金
所得税の過不足精算について理解できたでしょうか。
会社ごとで処理方法が違うので、12月の給与明細を確認した時にどうなっているか確認しておきましょう。
年末調整をきちんとやらないと損をする
[chat face=”face2.png” name=”” align=”left” style=”type1″]年末調整やるの面倒だし、もう適当に名前とわかるとこだけ書いて提出しようかな…[/chat]
もしかしたら貴方もそんな風に考えているかもしれません。
実は年末調整で、名前とわかる所だけ書いて申請しても、特に問題はありません。
と言うのも、先ほど紹介したように、年末調整で書く内容は税金を安くしてもらう為の申請な訳です。
つまり、
わからないから書かずに申請する=払い過ぎた税金を返してもらわなくてもいいよ
と言う事なのです。
申請した本人が損をするだけなので、別に問題は起きないと言う事ですね。
でも、問題が無くても税金を無駄に払いたくはないですよね?単純に損ですから。
年末調整の書類を書く時に間違えて、税金を無駄に払わないよう、これを機会に年末調整の勉強をしておきましょう。
年末調整の計算で概算金額を使う理由
年末調整の書類の中で、年間の収入額を概算で記載する箇所があります。
まだ確定してない金額を概算で出すのって、ちょっと難しいです。
特に、どのくらい正確さが必要なのかわからないと、なかなか書きにくいです。
[chat face=”suit2.png” name=”” align=”left” style=”type1″]ちゃんと計算しないと損するなら、概算じゃなくて確定した数字を使ってくれればわかりやすいのに…何で概算で計算させるの?[/chat]貴方もそう思っているかもしれません。
これにはちゃんと理由があって、年末調整は概算でしか計算ができないのです。
概算で計算しないと、年末調整に間に合わない。
そもそも年末調整するのは、
- 今年の所得税の金額を確定させる
- 所得税の納税を12月分の給与で調整する
この2つが目的な訳です。
今年の収入を確定させるには、12月分の給与が支払われないと確定しませんよね?
年末調整は12月分の給与で所得税の納税額を調整するので、概算金額で計算しないと処理が間に合わないのです。
概算金額の計算はどのくらいの精度が必要なのか
[chat face=”face1.png” name=”” align=”left” style=”type1″]概算で計算する理由はわかった。じゃあ、どのくらい正確に計算しないといけないの?[/chat]この概算金額、結論から言うと割とザックリ計算で問題ありません。
年末調整の書類を申請する段階で、確定していない金額は、次の2つです。
- 12月分の給与
- 冬季賞与
この2つがはっきりすれば、あなたの今年の給与収入が確定する訳です。
この2つの具体的な概算金額の具体例を挙げると、
- 12月分の給与…11月分の給与金額、1月~11月の平均額
- 冬季賞与…夏季賞与の金額、前年度冬季賞与の金額
この辺の数字を概算金額の基準値にして計算すればわかりやすいんじゃないかと思います。
概算金額の計算方法で迷ったら、上の例に沿って計算してもらえばOKですよ。
面倒なら1ヶ月の大体の給与額で計算すればOK
1月~11月の給与額はすでに確定していますが、わざわざ1月~11月分の給与明細を探してポチポチ電卓叩いて計算するの大変なんだけど…と言う人は、1ヶ月の大体の給与額で計算してもOKですよ。
[chat face=”suit1.png” name=”” align=”left” style=”type1″]1ヶ月大体30万くらいで、賞与50万くらいが2回だから、概算で給与360万、賞与100万で、年収460万くらいかな…[/chat]こんな感じで概算金額を計算してもOKです。
多少ブレても控除の金額計算に大きな差は出ないので、1ヶ月の大体の給与額で計算するのもアリですよー。
退職した人は年末調整できないので確定申告を!
年末調整は税金を計算する物だと言うのは理解してもらえたんじゃないかと思います。
ここで注意してほしいのが、年内で会社をやめて再就職しなかった人です。
会社を退職した人はその年のうちに再就職しなければ年末調整ができませんよね。
年末調整ができない=払い過ぎた税金が戻ってこない、と言う事。
実はこれは馬鹿にできない金額で、人によっては数万円損をする事もあるのです。
年内に再就職をしない人は、確定申告を忘れないように意識しておきましょう!
※関連記事
https://eastgate12.com/zeikin-kanpu-sinkoku-20160213
まとめ
年末調整には2つの役割がある
- 所得控除の申請
- 所得税を精算して過不足を調整する
年末調整はきちんとやらないと損をする
- 申請を間違えると税金が安くならない
退職して年末調整しなかった人は確定申告しないと損をする
参考になったでしょうか。
覚えてしまえば年末調整は難しくないので、一度しっかり勉強しておきましょう!
参考リンク
・国税庁 年末調整特集ページ
http://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index.htm