貴方は財形預金って聞いたことありますか?
銀行の口座と言えば、普通預金と定期預金を思い浮かべる人が多いと思うのですが、その他にもいくつか種類があって、財形預金という物があります。
最近では財形預金を利用する人はかなり減っているのですが、普通・定期預金と違って、財形預金ならではのメリットもあります。
先取り貯蓄用に財形預金を利用するのもアリなので、まだ先取り貯蓄をやってない人は財形預金を検討してみるといいかもしれませんよ。
今回は財形預金とはどんな預金なのか?メリット・デメリットは?どんな人にオススメ?などのポイントを紹介したいと思います。
Contents
財形預金の特徴
財形預金とは「勤労者財産形成貯蓄制度」の事で、勤労者が事業主の協力を得て賃金から一定の金額を天引きして行う日本の貯蓄商品の事です。「財形貯蓄」や「財形」とだけ呼ばれるケースもあります。
簡単に言うと、会社が給与から一定額を天引きして、自動的に銀行に貯金してくれる預金の事です。
財形預金は3種類
財形預金には3種類あります。
- 一般財形貯蓄
- 財形住宅貯蓄
- 財形年金貯蓄
貯蓄する目的に応じて、3種類の中から選ぶ事になります。
・財形預金の種類と特徴
種類 | 一般財形貯蓄 | 財形住宅貯蓄 | 財形年金貯蓄 |
---|---|---|---|
目的 | フリー | 住宅購入・リフォーム | 年金(老後資金) |
積立期間 | 3年以上 | 5年以上 (住宅購入時、短縮する事が可能) | 5年以上 |
年齢制限 | 制限ナシ | 55歳以下 | |
利息の税金 | 20.315% | 550万円まで非課税 | |
中途解約条件 | 1年経過 | 住宅目的なら一部解約可能。 住宅目的以外は全額解約のみ。 全額解約の場合、利息が課税対象に。 | 全額解約のみ可能。 利息が課税対象に。 |
住宅・年金目的の財形預金は利息が非課税
財形預金の大きな特徴は、住宅・年金目的の財形預金は利息に税金がかからない事です。
実は普通預金などの利息には、20.315%の税金がかかります。
例えば1,000円の利息がついたとしたら、税金として203円徴収されてしまうんですね。(利息が口座に入った時は、税金を取られた後の金額で入金されます)
この税金が非課税になるので、税金を取られずに利息分まるまる貰えるという訳です。
と言う人は、財形預金の利用を検討すると良いかもしれませんね。
利息非課税は金額の条件アリ
財形預金の利息非課税は、「元金550万まで」という上限額があります。
- 元金550万円以下については利息が非課税になる
550万円を超えた分の利息については課税されてしまうので覚えておきましょう。
財形預金は会社に制度がないと使えない
財形預金は、勤めている会社が財形貯蓄制度を導入していなければ、財形預金を利用する事はできません。
現在財形預金を利用していて転職を考えている人などは、財形預金制度があるか確認しておくと良いですね。
ハローワークの求人であれば、財形預金制度があるか求人票に記載されています。
リクナビなどの求人でも記載されているケースもあるのでチェックしておきましょう。
財形預金の申込みは会社から
財形預金は会社の給与から天引きして送金される形になっています。
その為、財形預金の申込みは、本人が銀行に申請するのではなく、会社から銀行に申し込みする形になります。
財形預金を申し込む時は、給与支払いを担当している部署に相談してみましょう。
出金する際は会社を通して申請する
財形預金は出金する時に会社のハンコが必要になります。
本人の証明書類・印鑑だけでは引き出す事ができないのが、財形預金の大きな特徴です。
財形預金を考えている人はこの点に注意しておきましょう。
財形預金のメリット・デメリット
財形預金の特徴を紹介しましたが、わかりやすいようにメリット・デメリットを抑えておきましょう。
財形預金のメリット
- 普通預金よりも金利が高い
- 住宅・年金目的なら550万円まで利息分の税金が非課税
財形預金のメリットは普通預金よりも金利が高い事です。
銀行によって金利の差はあるのですが、定期預金の金利と同じくらいと考えればOKですね。
財形預金のデメリット
- 出金に手間がかかる
財形預金から出金するときには会社の印鑑が必要になります。
会社に申請する必要があるので、出金するのに手間がかかるのがデメリットです。
先取り貯蓄用の口座に使うのもアリ
財形預金は出金するのに手間がかかる、というのが一つの特徴です。
手間がかかるのはデメリットのように感じますが、メリットになる事もあります。
それは無駄遣いの予防になるという事です。
先取り貯蓄をしている人は多いと思いますが、たまーに誘惑に負けて出金してしまう人がいます。
普通預金口座だとカード一枚ですぐに引き出せますし、通販などですぐに送金する事もできますよね。
利便性が高い分、誘惑についつい負けて無駄遣いしてしまう、というケースが意外と多いです。
財形預金であれば出金するのに会社の印鑑が必要で手間がかかります。
出金の申請に手間がかかる分、冷静になる時間があるので衝動買いを防ぐ事ができる、という訳ですね。
過去に先取り貯蓄の口座から、無駄な出金をしてしまった経験がある人は、財形預金で先取り貯蓄をしてみても良いかもしれませんよ。
※先取り貯蓄についての詳細はこちらの記事で!

低金利時代に財形預金を使う価値はある?
現在は超低金利時代で、定期預金にしても0.10%程度の銀行が多く、貯金をしてもなかなか利息がつきません。
と言う人は普通預金で何も問題ありません。
結論から言うと、
出金に手間がかかる財形預金で無駄遣いを予防したい
という人でなければ、今の時代に財形預金を使うメリットはほぼ無いかな、と思います。
最近ではイオン銀行などの普通預金で、低金利ながらもマシな金利がつく銀行も徐々に増えてきています。
貯金用の口座を普通預金で管理しても全く問題ないので、メリットを感じる預金を利用しましょう。
※金利の高い普通預金・定期預金を別記事でまとめています。

まとめ
- 財形預金は、会社が給与から一定額を天引きして自動的に貯金してくれる預金
- 住宅・年金目的なら利息の税金が非課税になるのが特徴(元金550万円が上限)
- 預金の申込みは会社から。出金の申請にも会社の印鑑が必要。
- 普通預金よりも金利が高い。(定期預金と同程度)
- 出金に手間がかかるので先取り貯蓄に使うのに向いている。
- 超低金利時代なので、財形預金が他の預金より有利!という事は無い
財形預金についてしっかり抑えられたでしょうか。
現代の超低金利時代では利息がついても額が知れているので、財形預金を使うメリットはほぼありません。
と言う人は、財形預金の利用を検討してみると良いかもしれませんね。