給与から引かれる所得税…仕組みや計算をわかりやすく教えます

毎月の給与明細を確認すると、所得税や住民税、健康保険や厚生年金など、様々な名目で給料から差っ引かれていますよね。

給与全体の1割~2割程度差し引かれていて、


そんなに給料多いわけじゃないのに、色々引かれすぎでは…

なんて思いを持ちながら、毎日頑張って仕事をしている人も多いのではないでしょうか。

給与から税金や社会保険が引かれるのは、日本に住んで働いている以上、義務なので仕方ないのですが、その中身をしっかり理解している人は意外と少ないように思います。


自動的に引かれる物だから気にしてもしょうがないし…

と思う人もいるかもしれませんが、税金や社会保険の制度について知っておくと、意外なところで節税につながるので、興味が出た時に是非チェックしておきましょう。

今回はサラリーマンの人が毎月の給与から引かれている所得税について、税金の知識が全くない人でもわかりやすいように解説したいと思います。

具体例の紹介もあるので、気楽に読んでもらえたらと思います。

 

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そもそも所得税とは何ですか?

所得税とは、一定以上の収入がある人が国に納めなければならない、一番基本となる税金の事です。

所得税の所得というのは簡単に言うと収入の事です。

会社に勤めて給料をもらったり、自営業で得たお金などが所得になります。

この1年間の所得から計算される税金が所得税という訳ですね。

 

サラリーマンは給与所得だけ覚えておこう

所得は不動産所得や利子所得、雑所得など多くの種類に別れているのですが、サラリーマンの場合は種類を気にする必要はありません。

会社から貰う給与は、給与所得という種類になります。

副業をしていない人は会社の給料だけが収入源なので、関係あるのは給与所得の一種類のみなので、とりあえず給与所得だけ覚えておけばOKです。

 

所得税は本来、個人で納めなければならない

サラリーマンの所得税は毎月の給与から所得税が自動的に引かれて、会社が代わりに納税をしてくれます。(これを源泉徴収と言います)

会社が勝手にやってくれるので、特に気にしなくても納税が完了している訳なんですね。

ところが、自営業の人や会社をやめて無職の人は、代わりに納税をしてくれる人がいないので、自分で所得税を納めなければいけません。

自分で所得税を納めるのに必要な手続きが確定申告です。

会社に勤めている間は確定申告をする事はほぼないと思うので、気にしなくても大丈夫です。(住宅ローンを組んだ時くらいだと思います)

せっかくなので確定申告の事も知っておきたい、という人は別記事で詳しく紹介していますのでチェックしてみてください。

確定申告の時期ですね!税務署にお勤めの人は慌ただしい日々を過ごしているのではないでしょうか。 確定申告と言うと、 というイメ...

 

年末調整は所得税を確定させる作業


年末調整の書類です。必要事項を記載して提出してくださいね~

11月くらいになると総務や人事から、おなじみの年末調整の書類が回ってきますよね。あの緑色の書類です。


冬になったら毎年もらうけど…書き方よくわからないんだよなあ…

という人も多いんじゃないでしょうか。

年末調整は所得税の計算に深く関わっているので、なぜ年末調整をする必要があるのか、しっかり抑えておきましょう。

・毎月の給与から引かれる所得税はザックリ計算の金額

実は毎月の給与から引かれている所得税は、ザックリ計算で天引きされる金額が決まります。(源泉徴収税額表というものに当てはめて決定されます)


え、ザックリ計算なんですか?1年で12ヶ月だから、1/12とかじゃないんですか?

所得税の計算は扶養親族がいたり、節税できる生命保険に入っていたりすると、所得税が安くなりますよね。
なので、毎月の給与からは、とりあえずザックリ計算した額で徴収して、年末でキレイに調整しよう、という事なんですね。

なるほど、年末に所得税を調整する、を略して年末調整なんですね。

その通りです。しかもザックリ計算の額はちょっと多めに取られているんです。年末調整をして12月の給与が増える人が多いのは、多めに取られていた分が帰ってくるからなんですよ。

なるほど、そういうカラクリになっているんですね…

年末調整については別記事で詳しく紹介しています。

年末の風物詩とも言える年末調整。会社から書類をもらっても、 という人も多いんじゃないでしょうか。 小さな会社だと、担当者が細...

詳しい書き方もわかりやすく紹介しているので、気になる人はチェックしてみてくださいね。

 

所得税は3つの式で計算できる!

それでは、所得税の具体的な計算方法を紹介します。

サラリーマンの場合、所得税は3つの式で簡単に計算する事ができます。

・所得税を求める3つの計算式

①給与収入ー給与所得控除(経費)=給与所得
給与所得ー所得控除=課税標準額
③(課税標準額✕税率ー控除)ー税額控除=所得税額

所得控除や税額控除というのは、いわゆる配偶者控除や扶養控除などの所得税が減る制度の事です。

貴方の所得税を計算する時に、控除で当てはまるものがあれば所得税が減る、とだけ覚えておきましょう。

この控除の内容と種類については別記事で紹介しているので気になる人はチェックしてみてくださいね。

所得税の節税について調べたりすると、所得控除やら税額控除やら、やたらと「控除」という単語を目にしますよね。 始めて税金について勉強をする人...

それでは3つの式がどういう物か紹介したいと思います。①から順番にチェックしていきましょう。

※イメージしやすいように、後半で計算方法の具体例を紹介しています。文字の説明だと良くわからないなあ、という人は単語の意味だけなんとなく抑えて、所得税計算の具体例をチェックしてみてくださいね。

 

①給与所得の計算

まずは給与収入(額面の給与)から経費(給与所得控除)を差し引く計算です。

・給与収入

給与収入とは、1年間の給与(額面)の合計額の事。「給与収入」と「給与所得」がよくごっちゃになりますが別物です。

給与収入は何も引かれていない純粋な年収。(いわゆる額面給与)

給与所得は給与所得控除後の金額を指すので注意しましょう。

・給与所得控除

この給与所得控除がよくわからない、という人が多いと思いますが、簡単に言うとサラリーマンの経費なんですね。


サラリーマンの経費って、どういうことなんですか?

自営業の場合、売上ー経費=所得になるので、お金を稼ぐために使った費用は税金の計算から省くことができますよね。

そうですね。なんでも経費で節約できてズルい!と言われたりしますよね。

サラリーマンの場合でも、仕事のために自腹でスーツを買ったりとかありますよね?でもサラリーマンの人は、自腹で購入したものを経費にする方法が無いんです。

そうですね。会社が払ってくれなければ、スーツは自分の買い物という形になりますよね。

なので、サラリーマンの場合は収入に応じて、このくらいの金額を経費として使うだろう、と決められた金額を所得税の計算から減らす事ができるんです。
これを給与所得控除と言います。年末にもらう源泉徴収票にも、給与所得控除後の金額という項目があるので、もらったらチェックしてみましょう。

 

自分の収入に応じて決められた金額が、自動的に経費として計算されるという訳ですね。

この給与所得控除の金額は、給与収入によって変動します。


給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
180万円以下収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超~ 3,600,000円以下収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超~ 6,600,000円以下収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超~ 10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超~12,000,000円以下収入金額×5%+1,700,000円
12,000,000円超2,300,000円(上限)

※平成28年の計算額。税制は変わる場合があるので、最新の情報は国税庁のページをチェック。

「給与収入」から「給与所得控除」の金額を引いた額が「給与所得」

になります。

 

②課税標準額の計算

給与所得の金額が計算できたら、次に給与所得の金額を使って課税標準額を計算します。

・所得控除

所得控除とは給与所得控除と違い、誰でも受けることができる控除の事です。

会社の年末調整で、個人年金の支払証明書だったり、扶養家族の年収がいくらとか書いたりしますよね?

あれは、この所得控除を申請している訳です。

「給与所得」から「所得控除」の合計額を差し引いた金額が、「課税標準額」

となります。

所得控除の種類については別記事で詳しくまとめてあるので、気になる人はチェックしてみれください。。

税額計算の際、所得金額から差し引かれる所得控除。この所得控除、色々な種類があってよくわからない!という人も多いと思います。(控除がどういうものか...

 

③所得税額の計算

課税標準額の計算ができたら後一歩、所得税額の計算です。

・所得税額の計算

課税標準額の計算ができたら、所得税率と控除額を下記の表から求めます。

課税される所得金額
(所得金額-所得控除)
税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超~330万円以下10%97,500円
330万円超~695万円以下20%427,500円
695万円超~900万円以下23%636,000円
900万円超~1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円超~4.000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

※平成28年の計算額。税制は変わる場合があるので、最新の情報は国税庁のページをチェック。

上の表にあてはまる税率と控除額をあてはめて計算すれば、所得税額の計算が完了します。

・税額控除

税額控除とは、上の表から求められた所得税額から控除できる物です。(住宅ローン控除などが代表的な例)

所得控除と違い、納税額から直接差し引かれるのが大きな特徴です。(所得控除は、所得税計算の元となる課税標準額が差し引かれる)

上手に利用できると、節税効果が非常に大きいので税額控除は抑えておきましょう。

 

サラリーマンの所得税計算 具体例

サラリーマン所得税わかりやすく

それでは具体例を使って一度計算してみましょう。


・年収500万円
・所得控除60万円
・税額控除10万円

のサラリーマンAさんの場合で見ていきます。

・所得税の計算式おさらい

①給与収入ー給与所得控除(経費)=給与所得
給与所得ー所得控除=課税標準額
③(課税標準額✕税率ー控除額)ー税額控除=所得税額

①給与所得の計算

給与所得控除=500万円✕20%+54万円=154万円
給与所得=500万円ー154万円=346万円

②課税標準額の計算

課税標準額=346万円ー60万円=286万円

③所得税額の計算

課税標準額=286万円(税率10%、控除額97,500円)

所得税額=(286万円✕10%ー97,500円)ー10万円=88,500円

以上の計算により、サラリーマンAさんの場合は、所得税額88,500円となります。

所得税の計算まとめ

①給与収入ー給与所得控除(経費)=給与所得
給与所得ー所得控除=課税標準額
③(課税標準額✕税率ー控除額)ー税額控除=所得税額

控除の種類が多いので難しく感じますが、基本は3つの控除で計算できます。

所得控除の種類が多くてわかりにくい気がしますが、細分化されているだけなので、それが理解できれば所得税の計算は難しくありません。

  • 「給与収入」と「給与所得」の違い
  • 3つの控除(給与所得控除、所得控除、税額控除)

この2つがポイントになるので抑えておきましょう。

以上、所得税の計算について紹介しました。整理できましたでしょうか。

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