お手軽な節税効果が期待できると評判の「ふるさと納税」。サラリーマンの人でも確定申告なしで利用できるワンストップ特例制度が始まったお陰で、利用している・利用してみたい!いう人も多いのではないでしょうか。
最近では、高額な返礼品を準備している自治体もあるのですが、そんな返礼品に規制をかけるべき、という流れがあります。
より多くの寄付金を集めるために、高額な返礼品を準備する自治体が出てきた事が規制検討の流れにつながったようです。
今回はふるさと納税の規制の流れについて紹介してみたいと思います。
※ふるさと納税がどういう物かは別記事で詳しく紹介しています。
規制が入るかもしれないふるさと納税。現状どうなってるの?
ふるさと納税は2008年から始まり、年々ふるさと納税を利用する人は増えています。
開始時の2008年はおよそ3万人程度で72億6000万程度でしたが、2015年には延べ人数で約130万人が利用していて1470億円もの寄付が行われています。
これだけふるさと納税が流行したのは、返礼品が高額化した事が大きな理由と考えられています。
ふるさと納税の高額な返礼品ってどんな物?
ふるさと納税の返礼品で多いのは地方の特産品(お肉やお米などの食品や工芸品)ですが、近年見られるようになってきたのは商品券や家電製品などです。
中にはパソコンなどを返礼品とする自治体(長野県安曇野市、山形県米沢市など)もあり、こういった返礼品がある自治体は人気が急上昇して多くの寄付金が集まるようになります。
できるだけ多くの寄付がほしい自治体は、高額な返礼品を準備しようと「返礼品」の競争が激化してきた事が今回の規制の流れにつながった訳ですね。
返礼品がオークションなどで売られてしまうケースも
高額な返礼品が増えてきた事で、ふるさと納税で税金を控除してもらい、返礼品を転売する、というケースも最近では多くなってきています。
確かに法に触れるようなことではありませんが、ふるさと納税の本来の趣旨とは外れているので、高額な返礼品には規制をかけようという流れになるのはわかる気がしますね。
具体的に規制が入るかもしれない品目
総務省が返礼品にふさわしくないと示した品目は次のような物です。
・商品券(地域だけの金券なども対象)
・宿泊サービス
・パソコンなど家電製品
・スマホ、タブレット
・土地や建物(2016年に禁止)
これらにあてはまる物は返礼品にふさわしくないと考えられているようです。
現在は禁止されている訳ではなく、自治体に自粛を促している状態ですが、いずれは全面的に禁止となるかもしれませんね。
ふるさと納税が激化する=自治体の税収に差が出る
ふるさと納税は簡単に言うと、ふるさとに寄附をする代わりに今住んでいる自治体から税金を控除してもらう制度です。
ふるさと納税で一部の自治体に多額の寄附が集まると、それだけ自治体の税収に差が出る、という事になります。(取られた側の地方自治体の少なくなった税収は、地方交付税でほぼほぼ補填されるので一概には言えませんが)
寄附金が多く集まればそれだけ住民サービスを増やしたり、住みやすい街づくりにお金をかけたりする事ができるようになるので、人口を増やして税収を増やすことに繫がります。
各自治体がふるさと納税で寄附金集めに躍起になるのも理解できる気がしますね。
ふるさと納税の本来の目的は「地方のPR」
ふるさと納税は各地域ならではの特産品をPRして寄附金を集める事が目的の制度です。
その土地に昔住んでいた人や、その土地を知らない人に向けて情報を発信する事が大きな目的です。
その自治体で取れた農産物や畜産物・水産物などを返礼品として送り、それらを食べてもらって、気に入られたらその後も継続的に購入されることで地域経済の活性化につながる。
そういった目的の為に作られた制度なのですが、最近ではただ寄附金を集めるための手段になっているように感じます。
高額な返礼品目的でふるさと納税をする事が悪いことだとは思いませんが、個人的には多くの人が本来の目的に沿った形でふるさと納税を利用して、ふるさと納税という制度が長く続けば良いなあ、と思います。
参考リンク:総務省ふるさと納税ポータルサイト