独身税が話題なので、未婚率が上昇している原因を考えてみる

数日前に独身税が話題になりましたね~。

石川県かほく市には子育て中の女性で構成された「ママ課」という部署かどうかよくわからんのですが、そういうものがあり、そこで意見の一つとして、

「結婚し子を育てると生活水準が下がる。独身者に負担をお願いできないか」

というような発言があったそうです。(ソースは北國新聞社による記事

どういう雰囲気で発言があったのかもわからんので、けしからんとかそういうのをここで言及するつもりはありません。

ブレーンストーミングでとりあえず意見言ってみて~、みたいな感じだったかもしれませんしね。

独身税の話題を聞いて気になったのが未婚率なんですよね。

[chat face=”face2.png” name=”” align=”left” style=”type1″]独身が多いと言われてるけど、そもそも未婚率はどんなもん?少子化の原因はどこにあるんやろ?[/chat]

と疑問になったのでちょっと調べてみました。

調べた結果、結論から言うと未婚率はやっぱり上がってますね。結婚してない人が多いから少子化が進んでる。

[chat face=”wface2.png” name=”” align=”left” style=”type1″]なんで結婚する人が少ないの?[/chat] [chat face=”face2.png” name=”” align=”right” style=”type1″]…雇用が安定してないからやろねえ[/chat]

という当たり前の結論になりますね、やっぱり。

ただ、せっかく調べたので、数字を出して記事にしておきたいと思います。

未婚率が上昇しているのを掘り下げてみる

結婚しない人が増えているというのは周知の事実ですが、率として具体的にどのくらいなのか、というのを調べてみました。

このグラフを見てもらえるでしょうか。

未婚率

グラフの元になった数値はこちら。

※総務省統計局「国勢調査」、厚生労働省「人口動態統計」より

項目名だけ見てもよくわからないので、わかりやすいように簡単に噛み砕いて説明すると、

  1. 合計特殊出生率:一人の女性が一生に産む子供の数
  2. 有配偶率(女性):女性の結婚している割合
  3. 有配偶出生率:夫婦で生まれた子供の数の割合(低いほど少子化に向かってる)

という指標になっています。

合計特殊出生率は15歳から49歳までの女性が対象になっているので注意。

で、このグラフから何が読み取れるかって事を順を追って見てみましょう。

1:合計特殊出生率は徐々に戻っている

少子化と言われていますが、実は一人の女性が一生に産む子供の数は徐々に戻りつつあります。(2005年頃が最低の数値でした)

じゃあなんで少子化と騒がれているの?という点ですが、分母が減っている訳です。

合計特殊出生率を見る場合、15歳から49歳までの女性という条件があります。いわゆる戦後ベビーブームの団塊の世代の方がごそっと対象から抜けた後なので、分母が小さくなってるんですね。

率としては戻ってるけど、絶対数が減っているという状態なわけです。

2:有配偶率は下がっている

有配偶率とは、配偶者がいるか=結婚しているか、の指標となります。

有配偶率が徐々に下がっていってるという事は、結婚していない人が増えている=未婚率が高くなっている、というのが目に見えてわかりますよね。

3:有配偶出生率は上がりつつある

有配偶出生率は夫婦間で生まれた子供の数の割合を示す指標なのですが、これは上がりつつあります。

1990年のバブル期が有配偶出生率は最低だったのですが、2010年代に入ってからは、この1980年から見ても一番高い水準なんですね。

子供が生まれていない訳ではないんです。子供は生まれてるんですよ。結婚している女性の元では。ただ、未婚率が高いので、絶対数が少なくなってるんです。

少子化は未婚率が高いのが原因では?

以上の点から考えると、結婚している人で見ると出生率は増えている訳なので、

[chat face=”wface1.png” name=”” align=”left” style=”type1″]結婚する人が増えれば自然と少子化は解消されるんじゃ?[/chat]

という考えを持った自治体などが婚活支援なんかを行うようになったのが今の状況、という事なんでしょうね。

結局、未婚率が高いのは経済的な理由じゃないの?

そもそもなんで未婚率が高いの?という理由ですが、昔と違って選り好みしてるからだ、なんだかんだと言われてますが、やっぱり経済的基盤が安定してないのが原因なんじゃないかと思いますね。

いわゆる正社員と非正規社員の婚姻率の統計が非常にわかりやすく表してると思います。

これは総務省の「労働力調査」というものを集計してグラフ化されたものです。(内閣府のwebサイトで公表されてます)

平成25年のものなので、ちょっとデータは古いんですが、傾向はつかめるかなーと思います。

男性の有配偶率を見ると一目瞭然ですよね。

非正規雇用者の有配偶率は、正社員とくらべて極めて低いです。まあ当たり前ですよね。

だって、経済的基盤が安定してないんだもの。

[chat face=”suit2.png” name=”” align=”left” style=”type1″]若い頃に病気になってしまって、病気が治っても再就職で苦労して、派遣で生活費を稼ぎながらも、スキルがなかなか身につかずそのままズルズル…[/chat] [chat face=”face2.png” name=”” align=”right” style=”type1″]自分もそんな感じです。最初に入った会社がブラックで精神的に病んでしまって…1年経って落ち着いてきたから再就職活動してるけど、ブランク期間がネックでなかなか正社員採用は勝ち取れず、結局非正規で食いつないでます…[/chat]

こういう感じの人、割といるんじゃないかな?

結婚どころか、自分の将来の生活も不安な人って、意外と多いと思いますよ。そんな人が結婚できるか考えたら、そりゃ無理ってもんじゃないですかね?

結婚率・出生率の低さは、雇用が原因じゃないの?

結局、未婚率が上がっているのも少子化が深刻なのも、雇用が原因なんじゃないの?と個人的には思うんですよね。

自分は経済学者じゃないし、少子化を専門的に分析しているわけじゃないので、間違っているかもしれませんが、結局のところ、

一人でも多く経済的基盤が安定した生活を手に入れる

っていうのが、未婚率を減らして少子化対策になると思うんですよね。同じ考え持ってる人は多いと思うのですが、どうでしょうか。

独身税なんて発想は恵まれてるんじゃない?

独身税の発言について言及しないとは言いましたが、ちょっと思う所もあるので、軽くふれときますw

独身税がどうとか、保育所の待機児童がどうとかっていうのは、恵まれてる方なんじゃない?と思うんですよね。(こんな事書くとママさんに怒られそうですが)

確かに子育て支援とか、そういうのは大事だと思いますし、取り組んでいかないといけない事だとは思います。

でも、その前に子供を生みやすい環境を作るほうが先なんじゃない?とは思いますね。未婚率が年々上昇してるんだから。

[chat face=”face2.png” name=”” align=”left” style=”type1″]独身やってる人が好きで独身やってると思ってんの?子育ては経済的負担があるから独身の人に少し負担してもらいたいって、経済的な事考えないで子供産んだの?[/chat]

と、発言した人に質問してみたい気はしますねw

ついタイピングが捗ってしまった…まあ、この点については賛否両論あるとは思いますが。

ちなみに独身税を導入した国があってだね

余談ですが、実は過去に独身税を導入した国が実際にあります。

ブルガリアで1968年~1989年の21年間、将来の労働力を心配して制定されたものだったのですが、結局失敗しました。

独身税で税負担が増えて貯金が増えない→結婚の準備ができない→結婚しない

という負のループが起きたそうです。(優秀な人間は国外に逃げるというオマケ付き)

まあ、何が言いたかったかと言うと、安定した経済的基盤を作りやすい社会を目指すのが一番じゃないかな?と思うんですよね。

まとめ

  • 年々、未婚率は上昇している
  • 夫婦間での出生率は上がっている(未婚率の上昇が少子化の原因)
  • 未婚率の上昇は経済的基盤が作りにくいのが原因
  • 経済的基盤を作りやすい社会にするのが一番大事なのでは?

という点に加えて、私もそろそろ結婚したいなあ、というのを声を大にして言いたい所である事を記して、記事を終えたいと思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。